大きなおなかを抱え、群馬の冬といえば極寒の地「水上(みなかみ)」へ、久米島から里帰り出産をえらんだ平田佑芽(ひらた ゆめ)さん。
久米島出身のご主人のもとへ嫁いで早6年。
平田佑芽さんは移住者でありながら、島の暮らしについてもよく理解されています。
そんなママが、里帰り出産のメリット・デメリットを詳しく教えてくれましたよ。
経産婦さんで2人とも里帰り出産を選び、長時間の移動や出産費用、実家で暮らしたこと、荷物はどう運んだ?など
気になることをたくさん教えてくれました^^
なかでも悩みに悩んだのが、『ご主人が里帰り先へ来るタイミング』だったそうです。
こちらについての本音を教えてくれましたので、久米島に住む移住者にとって、参考になりまくりの記事となっています!
ぜひ最後までお読みいただきたいです。
【家族構成】
- 平田 昌樹(ひらた まさき)(31)パパ
- 平田 佑芽(ゆめ)(26)ママ
- 平田 叶樹(とき)(4)2019年出産・長男
- 平田 樹遊(きゆ)(1)2023年出産・次男
【ママについて】
- 群馬県出身
- 20代(2024年現在)
- 沖縄の離島に住みたいなと、リゾートバイトがきっかけで久米島へ
- 久米島出身の恥ずかしがり屋なご主人と結婚
- 地元の群馬の大きな病院で2人とも出産
- レンタカー会社に勤務している久米島も地元も愛するママ
Contents
なぜ里帰り出産を選んだの?

長男は初めての妊娠出産で何も分からず、遠慮なく甘えられる実母や親戚が近くにいる環境で産みたいと思ったので、里帰り出産一択でした。
沖縄本島の土地感覚がなく、病院もどこを選んだら良いか分からなくて
『マンスリーを借りる?』
『陣痛が来たらそこから徒歩?タクシー?』
『毎週の通院はどうするの?』
と疑問だらけで、長男の出産から里帰りを迷うことはありませんでした。
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里帰り一択!
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次男の出産は里帰りにするか、本島で出産するか少し迷いました。
ですが
- 長男を産んだ産院で安心して産みたかったこと
- 遠方の為なかなか孫に会うことができない実母と一緒に1~2ヶ月ゆっくり生活する
- 自分の子供を見てもらえる
こんな機会が欲しいなと思ったことから、2人目も里帰りを決めました。
長男は生まれるまで実家でゆっくりとマタニティ生活を堪能することができ、
次男は生まれる前の時間を長男と2人でのんびり過ごすことができたので、
やっぱり2回とも里帰りして良かったなと思っています。
妊婦健診はどこに通いましたか?

妊娠がわかってからは島で働いていたので、そのまま公立久米島病院で診てもらいました。
産院は群馬の総合病院で、実家から車で30分の唯一の病院でした。
地元の人たちはみんなその病院で産んでいるような総合病院だったので、通いやすさや、陣痛時にすぐ行ける距離を考え、その病院を選びましたよ。
長男の出産は12月だったので、雪の状況を見ながら病院までの道のりを考える必要がありましたね。
里帰り出産の受け入れについて、ホームページに載せている病院だったので、20週頃(約6カ月)までに電話で問い合わせをしました。
- 何週から産院での健診が始まるのか
- 今までの経過
これらを簡単に電話で聞かれました。
当たり前ですが、産院は普段から通っている病院ではないので、少し不安な部分もありましたね。
里帰り出産には、高校の頃の先輩や、実母の友人などが働いていたり、その病院で子供を産んでいる地元の友人も何人かいたので、様子を聞くことができるというメリットがあると思います。
里帰り先が雪の降る地域だったり、陣痛始まりが通勤ラッシュの時間帯にかぶる可能性がある場合に備えて、交通状況を事前に確認しておくとベスト!
群馬(地元)へはいつ戻りましたか?
産院側から『里帰り出産をするなら20週(6カ月)までに問い合わせ、31週(約8カ月)には健診を受けてほしい』と言われていたので、その週数に合わせて群馬へ行きました。
どの移動手段を使って地元へ帰りましたか?
往復ともに飛行機を使いました。
群馬へは、那覇空港から羽田空港(約2時間半)→電車・新幹線乗り継ぎ(約3時間)かけて帰るんです。
久米島を朝イチに出ても、私の実家に着くのは夕方になります(笑)
長男のときは沖縄から本州に大型の台風が直撃しているときで、飛行機や新幹線など私が帰省に使う航路、路線が全て影響を受けまくってて
『どうしよどうしよ』と大きいお腹で1人で困っていました。
ですが、私が手配した飛行機・私が乗る新幹線は、見事にしっかり通常運行してくれる強運さで、予定通り帰省できたことには驚きました!
次男のときは暴れん坊の長男を連れて帰省しましたが、さすがに電車を3時間乗り継ぐ勇気もなく、群馬から東京までは両親に車で迎えにきてもらいました(笑)
久米島から群馬って遠すぎます…
実家での生活は安心&体も心もゆったり
長男のときは久しぶりの実家!のんびり!という感じで、ゆっくり安心して過ごすことができましたよ。
出産経験者の実母やいとこが近くにいてくれたので、予定日が近くなったときには、いつ何が起きてもいいように仕事を調整してくれたので安心でした。


このように産後、近所の方へ出産したことを報告しにいけるのも、里帰り出産のメリットですよね。
次男の出産のときも私は過ごしやすかったんですが、長男は保育園もない中で毎日過ごさないといけないし、群馬の支援センターや遊び場も、コロナ禍で制限がある場所もあり、公園などで遊ばせていました。

予定日が近づくと遠出もできず、長男にはつまらない思いもさせてしまったかもしれませんね。
陣痛〜出産のエピソードを教えてください
長男の出産

長男の出産は12月で、予定日の2日前が『2019年最後の満月(大潮)の日』だったので、「絶対満月のこの日だよ!」「大潮だからこの日!」と言われ続けていたんです。
私もなんとなく、この日かなぁ…と思っていたら見事にその満月の日にジワジワとお腹が痛くなってきました。
夕方に母の送迎で病院へ行きましたが『初産なんだからまだ生まれないよー』と助産師さんに言われ帰されました(笑)
それでも痛いのでもう一度行ったんです。
病院に着いたのが20時すぎで生まれたのが日付を超えた0時頃で、めっちゃ安産でしたよ(笑)なんと4時間!

先ほどの助産師さんも『ごめんなさい、こんなに早く産まれるとは…』と言っていましたね(笑)
初めての陣痛で痛みが分からなかったので『あとどのくらい痛くなるの??もう無理ー!』と思っていた頃には産まれていました。

この写真は実母が面会にきてくれたときのものです。
長男の時は母が立ち会ってくれましたが、あまりの痛さに『飲み物飲む?』『腰押す?』と聞いてくる母を、フルシカトした記憶があります(笑)
長男のときは面会もできたので、毎日、母やおばがきてくれていましたよ。
次男の出産

次男の出産は37週(約10カ月でいつ生まれても良い時期)を過ぎていたので早めに産みたい気持ちがあり、陣痛が来るジンクスを試してみました。
ネットに載っていたオロナミンCを飲むジンクスを試した翌日、ジワジワとお腹が痛くなったんです(笑)
次男が生まれたのは予定日から2週間くらい前でした。
お腹が少し痛くなり始めた頃に病院に連絡して『また今回も早そうだから』と言われ、母の送迎で夜中0時ごろに入院となりました。
でもどんどん痛みが遠のき、朝まで弱い陣痛が続きました。
促進剤の点滴を準備している間に、なぜか急に陣痛が進み、点滴が始まってからはとても早かったので、分娩時間自体は2時間ほどでしたね。
これまた超安産。

次男の出産は実母が長男をお家で見てくれていたので、立ち会いはありませんでした。
誰の立ち会いもなかったので、1人で痛みに耐えるのが怖くて、助産師さんに『行かないで』『ここにずっといてください』と延々に言っていました(笑)
次男の出産後は面会も禁止で、外部と接触できるのは洗濯物の受け渡しのみでした( ノД`)
誰とも会えませんでしたが、生まれた次男とゆっくり入院生活を過ごせたので良かったです。
でも病院のご飯だけでは産後の私には足りず、毎回受け渡しできる洗濯物の袋の中に、菓子パンやスナックを入れてもらって密輸していました(笑)
パパが里帰り先に来るタイミング

2回の出産で、夫婦で悩んだことが『パパが里帰り先に来るタイミング』です。
できれば立ち会いして欲しいという気持ちはありました。
私の場合は計画分娩や分娩日を決めて産むのではなく、自然分娩を選んだので赤ちゃんがいつ産まれてくるか分かりませんでした。
そこでこんな疑問点が持ち上がりました。
- 立ち会いは無理?
- どのタイミングに来たら、産まれた赤ちゃんに会えるだろう?
- 生まれてから飛行機を取る?そうなると仕事の休みを調整できない?
などです。
いつ生まれるか分からないので、パパが来る日を決めるのが難しかったですね。
本島での出産の場合、飛行機で30分の距離なので、陣痛のタイミングによっては旦那さんの立ち会いやサポートも間に合うかもしれませんが、里帰りでの立ち会い出産は難しいと思いました。
我が家は長男の出産予定日がパパの仕事の繁忙期にかかっていたこともあり、休めても2泊3日くらいしか群馬に来られなかったのでとても悩みました。
飛行機は年末年始で料金が高くなるし、仕事も休みにくいので早めに決めたいし…でも赤ちゃんはいつ生まれるか分からないし、という具合です。
結局、長男の出産で夫に来てもらえたのは、予定日の2週間後くらいでした。
次男の出産のときは夫も10日ほど休みが調整でき、ゆっくり群馬に来られる予定だったので、予定日に合わせる形で来ることができました。
長男も次男も予定日前に生まれたので、立ち会いは叶いませんでしたが、島からはるばるやってきたパパとすぐに対面でき、ゆっくり過ごすことができましたよ。
次男を出産後の入院中は、長男がまだ慣れてない群馬のバーバと2人で残され、泣いていると連絡が入っていたので、入院中も長男を心配しながら過ごしました。
退院したとき、次男との対面よりも、長男に『がんばって待っててくれてありがとう(泣)』という気持ちが大きかったです。
長男は次男を見て、『これは人間なのか?』『なんか動くから生き物だろうな』とちょっと触ってみたり、近くで観察してみたりと反応が面白かったです。
里帰りの出産費用

【長男の出産費用】
出産育児一時金42万+10万近くの持ち出し
【次男の出産費用】
持ち出しはゼロ。
出産育児一時金で50万円支給され、そのうち5万円ほどが後ほど返ってきた。
分娩費用は2人とも夜中の入院だったので、深夜料金の対象となりました。
次男の出産では促進剤を使ったため、保険が適用されました。
県外での出産になると、沖縄県の妊婦健診受診券が利用できないため、毎回の健診でだいたい約5,000円を支払っていました。
産後、久米島へ帰ってきてから久米島町役場の福祉課で申請すると、口座振り込みで返金されますが、毎回の健診ごとに5,000円かかるのは負担でしたね(泣)
どれくらいで久米島へ戻りましたか?
長男は産後2ヶ月/次男は産後1ヶ月
長男のときは産後2ヶ月ゆっくり実家に滞在できたので、祖母にもたくさん抱っこしてもらえました。

群馬→〔車で3時間〕→羽田空港→〔飛行機2時間〕→ 那覇空港→久米島空港
次男のときは東京に1泊してから久米島へ帰りました。
2人とも産後の1ヶ月健診は地元の産院で受けたいと思っていたので、島に帰る予定はそれ以降でしたね。
次男を出産した後、長男はパパと先に久米島へ帰ることにしたんです。
年度末の3月から長男を連れて里帰りしていたため、新年度に保育園の教室や担任の先生が変わる時期にあたり、早めに日常生活に戻れるようにするためです。
私と次男はその後、2週間ほど遠距離生活をしました。
久米島へ帰るとき、赤ちゃん連れでの移動はどうでしたか?
長男のときは必要な物が分からず、生まれてから群馬でベビー布団や洋服、哺乳瓶、哺乳瓶の消毒セットなどを揃えました。
里帰り先で買い揃えたため、久米島に戻るときは大きな段ボール5個を何回かに分けて宅急便で送りました。
かなりお金がかかりましたね(笑)
帰る当日も、電車や飛行機の乗り継ぎが多かったため、荷物を最小限に減らしました。
まるで引っ越しです。
次男のときは、反対に久米島の手元にある新生児グッズをまとめてまた群馬に送りました。
そして、群馬から戻るときはその段ボールを再び島に送りましたよ。
群馬に帰るときの荷物は『まぁ足りなかったら買い足せばいいか』『必要なら買いにいけばいいや』と思っていましたが、島にはベビー用品店がないので、荷物を送るときは念の為あれもこれも買っておこうと、どんどん量が増えていきました(笑)
長男のときも次男のときも、母が島まで一緒に来てくれたので、道中も安心して帰って来られました。
これから久米島在住で出産を控えているすべての人へエールを!

島出身でない方や親が近くにいない方は、出産や子育てに関して不安を感じるかもしれません。
でも生まれてきた子供たちは、そんな不安をものともせず、ゆったりとした島でのびのびと成長してくれます。
島には、自分の子供と同じように他の子供たちにも接してくれる人や、気持ちを理解してくれる人がたくさんいます。
自分が安心して過ごせる環境や甘えられる場所で出産することが一番です。
それが沖縄本島でも里帰り先でも、自分の心が休まる場所で産むのが最良です!
島での子育てはとてもゆったりしていて楽しいので、安心して出産に臨んでください^^
